会長挨拶
第11回看護理工学会学術集会を、神戸大学にて開催させていただくことを大変光栄に存じます。このような機会をいただき関係の皆様に深くお礼を申し上げます。学会テーマは、「ひらめきと独創 看護の発想を実現するために今、何をすべきなのだろう」です。
2023年6月10日(土)11日(日)、神戸大学六甲台キャンパス、100年記念館にて開催いたします。本学会における初めての試みとして、医療関係以外の主に研究者の方を対象に、6月9日(金)午後(2023年4月3日現在、午前になっております)、神戸大学医学部付属病院内のいくつかの病棟見学会を企画しております。共同研究の体験から、工学系・理学系などの研究者の皆様は、病院の内部に入る機会がほとんどないことがわかりました。今後ご一緒に研究や協働していくためには、お互いを分かる必要があると考えました。医療の現場で何が起こっているのか、看護師は何に困っているかなど、リアルにご自分の目で現場を見ていただくことが次のチャンスにつながると考えます。詳細の申し込み方法はホームページをご覧ください。
看護理工学会も最初の10年が過ぎ新たな出発の時です。論文投稿数、英文投稿数の上昇は目を見張るものがありますが、まだ、広く看護界に浸透し根を張ったとはいえません。誰もが知っている、活気ある学会になることを目指します。若い学生さんや研究者から、「看護理工学会は面白そうだ、楽しそうだ、勢いがある、生きた情報が得られる」と思われる学会にならなくては、次世代への発展は難しいと思います。学会長である私自身も、まだそのような段階にたどりついていないのですが、その試みが少しでも見える企画を用意いたしました。
神戸大学は「医工連携」を大切に考えている大学です。国産初の手術支援ロボットhinotoriを神戸の企業と神戸大学の藤澤先生(現学長・泌尿器科医師)が開発されました。その開発秘話をお届けいたします。他に、医療マイクロロボットを世界に先駆けて開発されたユニークな発想と、研究の一端を生田先生に、看護界からは幅広い分野の学生を受け入れ、それぞれの個性を伸ばされている大野先生に、タイムスタディを中心にお話しいただきます。
学会は現在、神戸で対面の開催を考えております。発表は原則ポスターで実施予定でございます。熱くひざを突き合わせ、語り合いたいと思います。神戸大学六甲台キャンパスは六甲の山並み、神戸港が眼下に広がる素晴らしい景色です。神戸でお目にかかることを心から楽しみにしております。
第11回看護理工学会学術集会長
神戸大学大学院保健学研究科
齋藤いずみ